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2010年2月13日 (土)

うろ覚えで説明するパワーメーターの原理

だいぶ前にツイッターで思いつくまま呟いた内容のまとめです。

パワーメーターのトルク検出の方法、誤差の影響する範囲、そしてPowerTapとSRM(とCinQo)の違いを解説したつもりです。
加筆訂正済みです。あと、他の方からの助言も反映しました。

つもり…

題して「うろ覚えで説明するパワーメーターの原理」

今市販されているパワーメーターはほぼすべてストレインゲージを使った歪み検出によってトルクを検出し、回転数を掛けてパワーとしています。
まず、その説明。

ストレインゲージは、歪みを検出します。が、力を掛けるところからトルクを受けるところ全部で歪みを検出するわけにはいきません(ストレインゲージは大きなものじゃないですから)。

秤を構成する歪みを検出するための「起歪体」は主にアルミで作られます。アルミが良く使われるのは、加工性が良い、安い、弾性率が低いから、かな。あと、形状も工夫がしてチョットだけ弱くするように削り込みがあったりします。ここらへんの形状は各社のノウハウです。

おっと、秤と書いてますがパワーメーターの話に続くのでストレインゲージを使った計測器一般と考えてください。

起歪体はどんなもんかというと、こんな感じです(DXで買った1000円の秤 )。削られたところで意図的に応力集中を起こさせていて、その部分にストレインゲージが貼りつけられています。
Imgp7808_3

ストレインゲージを使った歪計の誤差がどのようにして発生するか説明。

そして、力はどのように検出するかと言うと、起歪体の歪みで検出すると言うことです。他の部分が歪んでしまうと起歪体の歪みが少なくなってしまいます。例えば、こんな棒があるとします。鉄の中実~アルミパイプ~鉄の中実。曲げるとまあ大体アルミパイプの部分が歪みそうなのがイメージできます。

で、鉄の中実~アルミパイプ~鉄の中実~アルミパイプ~鉄の中実という棒だったら?はい、二箇所で変形するでしょうね。 片方にしか歪みゲージを取り付けていなかったら、半分の歪みとしか検出しません。同じ力を掛けているのに。

負荷と起歪体の関係(無視出来るところと影響するところの分け方)の説明。

ところで、この棒を地面に壁から生やしたとします。
(余り大した意味はないですが、その方がイメージしやすいから)

その先を手で持ってぶら下がるのと、ゴムとかの伸びる材料をひっかけてぶら下がった場合。その棒は同じだけ歪むでしょう。

以上の内容をパワーメーターに置き換えて考える!

と言うわけで、パワーメーターに置き換えてみましょう。クランクで検出するもの(SRM、CinQo等)の力の入力はクランク~起歪体(スパイダーアームと兼用)~チェーンリングとなります。ここまでがずっと例に出してる”棒”に当たるわけですね(丸いですし、力のかけ方が違いますが)

で、その先のチェーンとかは、先の例の”ゴム”の部分になるので無視出来ます。(よね?)

ハブで検出するPowerTapはどうかというと、チェーンから入力(ゴムと同じだから無視)~スプロケット~フリーホイール~起歪体(ハブのなかの筒)~ハブのフランジ、となります。
で、フリーホイールが微妙なのですが、ラチェットがかかっていれば剛体として考えられるのでそうしましょう。

で、パワーメーターで問題となるのはなぜチェーンリングでスロープ値が変わるかって事!まあズバリいうと、チェーンリングがアルミ製で歪むから。

(ちょっとここで自分の解説がだいぶ脱線してたら@jmzさんがフォローしてくださったのでそれを引用)

jmz
チェーンリングを交換するとSRMやCinQoのスロープ(弾性)が変化するのは、センサーが付いているスパイダーの剛性+チェーンリングの剛性の和をスロープに使用しているから。チェーンリングを交換するとその剛性が変化するのでスロープが変わります。

jmz
一方、PowerTapがカセットスプロケットを交換してもスロープが変化しないのは、フリーの中にあるセンサーが付いているシャフトには、カセットの剛性は関係ないから。交換してフリーの剛性が上がってもセンサーのシャフトの剛性には変化はほとんど無いです。

ということです。

追記するなら、カセットスプロケットは(アルミよりも弾性率が圧倒的に大きい)鉄やチタンで出来ていて、さらに、形状的にも十分に剛性のある形状となっているのでカセットスプロケットの変形は無視出来ると言うことです。

で、枝葉で説明したクランクで検出する場合の誤差にまつわるネガ要素を追記(ツイッターではコレを途中に挟んだからわかりづらくなったかな…)

起歪体はアルミ製でしょう。そしてチェーンリングもアルミ、そして意図して歪むように剛性を落としているはずです。ただし、壊れちゃいけないのでホドホドにしないといけません。

更に、ちょっと辛いのが、割と根元を歪ませなきゃいけないと言うこと。…うわぁ、なんか円盤の応力分布を説明するのが難しい… 円盤(みたいなもんだと思ってください)で内側から外側に力を伝えると、内側にいっぱい”応力”がかかります。

もう説明無理なのでザックリと。で、チェーンリングのサイズがPCDで決まっている以上、それより内側に起歪体を配置しなければなりません。より応力の高いところに。

で、そこの剛性を落とすと言うことは壊れやすくなると言う事なので、あんまり落とせません。本来の起歪体であれば、起歪体以外の部分との剛性差がしっかり無いと辛いのですが、強度の問題で落とせません。

ということは、チェーンリングとの剛性差がなく、チェーンリングがスロープに影響してしまう。で、しょうがないから、チェーンリングの歪みまで考慮してスロープ値を構成してやらないとダメだよね、ってのがSRM(とCinQo)。

以上でございます。
ご理解いただけましたでしょうか??

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